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安田 健一郎; 森 賢仁*; 宮本 ユタカ; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.576 - 578, 2002/11
保障措置環境試料中における核物質の極微量分析のため、原研はクリーンルーム施設を整備している。本施設に持ち込まれる試料のうち放射性物質量が過剰なものを仕分け(スクリーニング)するには、非破壊測定による半定量分析が必要となる。アクチノイドから放出される線は一般に放出率が小さく低エネルギーであるため、核分裂生成物などから放出される、より高いエネルギーの線に起因するコンプトン散乱の影響を受ける。よって、高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器による精密測定は困難である。今回、数100 keV以下のコンプトン散乱を抑制するため、HPGe-LEPS, LO-AXを主検出器、NaI(Tl)をガード検出器としたアンチコンプトンシステムを設計・製作した。予備試験としてCs-137の線を測定し、50~400 keVにおけるバックグラウンドが約50%減少した。発表では、実試料の測定例も報告する。
山林 尚道
非破壊検査, 46(11), P. 783, 1997/00
1910年にはX線透過写真撮影法で非破壊検査が始まったが、可搬型線源の利用は研究用原子炉が稼動し、CoやCsの線源が容易に入手できるようになった1960年代からである。国内では原研が1965年からJRR-2照射でIr線源(370GBq/個、2mm2mmL)を生産したことに始まり、現在ではJMTR、JRR-3M照射で年6回1,700個以上の線源を供給している。新しい低エネルギー線源Ybの供給は1995年からであり、現在はSe-75、Gd-153線源の開発が行われている。一方、線照射装置はIr用726台、Co用209台、その他55台で990台が普及している。今後線源による非破壊検査は材質、形状に最適な線源の選択と適用範囲のの拡大、装置の小型・軽量化、管理区域の縮小による作業環境の改善、フィルム・IPによる解析技術の高度化などが期待される。さらに欠陥診断から材料の経年変化を観察し寿命予測を可能とする探究が望まれる。
山林 尚道
高圧ガス, 31(8), p.621 - 628, 1994/00
最近、薄肉の細管溶接部の欠陥検査が重要視されるようになり、これには従来から広く使われているIr-192線源よりもさらに低エネルギーの線を放出するYb-169線源によるラジオグラフィが最適である。アイソトープ部では、Yb-169線源の製造技術の開発を進め、Yb-168を20.6%に濃縮した濃縮安定同位体を用い、1mm1mmの円柱状ペレットに成形したターゲットをJMTR及びJRR-3Mで中性子照射後、プラズマ溶接によりチタン製カプセルに封入し、185GBqのYb-169密封線源を開発した。試作したYb-169線源の特性及び非破壊検査用としての適用性についても報告する。
馬場 澄子; 鈴木 敏夫
Journal of Radioanalytical Chemistry, 29(2), p.301 - 308, 1976/02
Euは、Ge検出器の計数効率補正用標準線源として有用であることが知られているが、もっとも低エネルギーで分岐比の高い122KeV線の放出率のみは、まちまちな値が報告されている。本研究では、同軸型ゲルマニウム検出器の相対的な計数効率曲線を、Am,Co,Hg,Cs,Ba,Se,Yb,およびIrの線測定によって求めた。これを用いて、Euの低エネルギー線、特に122KeV線に重点を置いて、それらの相対放出率を測定し、Euの標準線源としての利用価値を高めることを志した。
鳥居 建男; 眞田 幸尚; 黒澤 俊介*; 林 高史*; 阪上 隆英*; 小玉 翔平*
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)の廃炉作業において、施設内外の配管内の非破壊検査及び配管取り外し後の内部の汚染検査は重要な課題である。配管内部の非破壊検査のターゲットを設定するため東京電力にヒアリングを行い、1F施設内でよく使われている配管の径(500A及び25A)、配管内に線放出核種を含む水素ガス、堆積物及び水分を含むことなどの状況を確認した。この状況を踏まえ研究のデザインとしては、内部透過を目的とする非破壊検査及び放射線イメージングを2つの大きなテーマとして設定した。本シリーズ発表では研究の計画及び放射線イメージングに関する成果の一部を紹介する。